みなさま、こんにちわ。HashiCorp 奥です。7時にPublishするはずが19時と間違えておりました。最初から謝罪でスタートすることになってしまいました。ごめんなさいm(_ _)m
※Disclaimer: 本エントリは完全にプライベートな活動のため、個人の所感を交えたカジュアルなブログになっています。ご了承いください。内容は正確ですw
(2022年2月9日追記:本エントリは2020年12月11日当時の情報を元にしているため、古い内容も含まれます。特に有償版の詳細についてご興味ある方はsales_japan@hashicorp.comまでお問い合わせください)
大好きだったGCPチームを去り、HashiCorp Japanで日本の立ち上げを始めてから、早2年。今年もいろんなことがありました。お陰様でHashiCorpは順調に成長しており、コロナ禍の3月にシリーズEで$175M(189億円:$1=108円計算)調達、$5.1B(5508億円)の評価をいただきました
(2022年2月9日追記:2021年12月9日にNASDAQに上場しました。TickerシンボルはHCPです)
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HashiCorp的にはTerraform Cloud for Businessのローンチが今年の大きなニュースでした。今まで価格や要件が合わずにEnterpriseの購入を諦めていたユーザさんには朗報かなと思います。
ただ、ここがHashiCorpっぽいところですが、製品体系や課金体系がわかりづらい!!!これ、中にいても同感です。そして、そもそもそんなのあること知らないかったよ〜というお声を聞くので、今年のアドベントカレンダーは自社製品のものに参加しようかなと応募してみました。あまりにも技術的な内容だと気後れするTerraform初めてユーザやお見積問い合わせると営業されたら嫌だな〜けど価格感をしっておきたいな〜というユーザ向けに書いてみます。気楽にお付き合いください♪
Terraformの種類
TerraformはOSSじゃないの?という声が聞こえてきそうですが、実は複数のバージョンを用意しております。
- Terraform OSS
- Terraform Cloud (Free Tier, Paid Tier, and Business Tier)
- Terraform Enterprise
それぞれ機能や環境要件、課金体系が異なります。
Terraform OSS
まずOSS、こちらはみなさんご存知だと思いますが、弊社ホームページよりダウンロードいただけます。また、Issue/Contributeは弊社Githubレポジトリまでお願いします。OSSなのでLicenseはMozilla Public License v2.0になります。
Terraform Cloud
TFCと略します。このあたりまでは知ってるぜ〜って方も多いかと思いますが、実はこのTFC、3種類あるんです。ご存知でしたか?今年はアップデートも多く、ローンチ当初から使っている方も新しい発見もあるかも知れません。早速掘り下げて行きましょう。
Terraform Cloudは弊社HashiCorpが運用するTerraformのマネージドサービスです。IPなどで気づく人もいらっしゃるかもしれませんが、現時点でAWS上で稼働しています。ユーザ登録し、Organization(組織)を作成するとすぐ使い始められます。登録はこちらから。
Terraform Cloud Free Tier
気軽に登録して、無償版のFree Tierから利用開始ができます。5ユーザまでなどの条件や制限はあるもの、特に利用期間の制限がなく、無償で使い続けられるのも嬉しいところです。何をしてくれるかというと、例えば、、、
- GUIの提供(Planの内容やエラー、Apply結果、前のStateとの差分/difもGUIで確認できます)
- VCSと連携(tfconfigのバージョニング管理はVCSで行います)
- Stateファイルの保存・共有・バージョニング
- 変数の保存、暗号化、秘匿(varsの代わりに利用することでかなり運用が楽でセキュアになります)
- Plan後、自動または承認者によるApplyが設定可能
Terraform Cloud Paid Tier (Team&Governance)
クレジットカードで毎月利用料をお支払いいただくプランです。Free Tierに有償機能が付属していて、Team Plan(月額$20/ユーザ)とTeam&Governance Plan(月額$70/ユーザ)が選択できます。残念ながら、このプランは全てオンライン完結のプランであり、請求書対応、SLA付のサポート対応はできません。Free Tierユーザであれば下記のような画面でプラン変更ができます。※私の画面は英語ですが、Terraform CloudのGUIは日本語対応しております
昔からご利用いただいている方々は私のようにPreview Planというレガシープランになっている方もいます。その場合は適宜その他のプランへの変更をお願いします
Team&Governance Planで提供されている機能はというと、
- Sentinelという言語でPolicy as Codeを記述できる機能(XX出なければならない、XXしてはいけないというポリシーを作成し、自動レビューできる機能)<Governance>
- 権限管理(RBAC)機能<Team>
- プライベートモジュールレジストリ機能<Governance>
- コスト予測機能<Governance>
などです。
Terraform Cloud Business Tier
最後はTFCBと呼ばれるティアです。こちらはEnterprise版のみで提供していたセキュリティ機能などの以下の機能が加わった組織利用を目的とするサービスです。
- SSO機能(Okta/ADFS/SAML2.0に対応)
- Self Hosted Agent(これにより外向き443を開けるだけでTFCからオンプレやVPC内のプロビジョニングが可能になります;例)VMware ProviderでVMの起動)
- 監査ログ など
SSOや監査ログはセキュリティやガバナンスの観点からも必要なので、Enterpriseにしたいけど、TFEサーバを運用するのがめんどくさい、クラウドですぐに使いたいというユーザーにぴったりです。あとクラウドサービスと言えど、VPC内はインバウンドは許可できない…等のネットワーク要件が厳し目の環境で便利です。
また、SLA付きサポートが付帯していて、販売店もしくは直接HashiCorpからご購入いただくため、請求書払いが可能です!クレジットカード使えないんです〜という企業や手厚いサポート必須という会社さんに向いてます。
12ヶ月以上での契約が必須となっているサブスクリプションサービスで、Terraformのユーザ数、月間Apply数、同時実行数の3つの課金要素で価格が決まります。基本はお見積依頼に応じて、価格をご提示していますが、5ユーザ、150Applies、同時実行 2で300万円程度〜(追記:2022年2月9日現在、為替の影響から価格が変更となっていますので、詳しくはHashiCorp Japanまたはリセラーパートナーへお問い合わせください)となっています。ちなみに弊社から直接購入の場合は米ドルでとなります。
Terraform Enterprise
通称TFEです。課金体系は何度か変わっていますが、現在のものは1年以上変更になっておらず、比較的わかりやすいものになっています。※TFCBがわかりにくいとは言っていま(ry
Terraform Enterpriseは一言で言って、
- 日本(もしくは特定の地域)にデータがなくてはダメ
- プライベート環境内でプライベートレポジトリ(例: GitHub Enterprise) と接続したい
というようなユーザ向けです。また、ユーザ数が読めない、アプライ数が多い、同時実行数の制限をされたくない、などTFCBの価格体系が合わないお客様も購入していただいています。
課金要素はWorkspace数のみ、最小パッケージ100ワークスペース700万円程度〜となります。24/365なのか平日9時〜17時なのかなど、サポートレベルにより異なります。100、 200、500と言ったようにWorkspace数上限のパッケージを選択いただけます。TFEのよいところはサーバ数での課金がないので、商用と開発は別ネットワーク環境なので別々に立てる、部署毎に別環境で使いたい、などの要件に柔軟に対応できます。会社単位でWorkspace数の合計でご購入いただけるので、まとめて買って部門毎に付け替えるというコスト按分型で運用されるケースも多いです。
Replicatedでもインストール&運用できるのでそこまで導入ハードルは高くないと思いますが、インプリ&運用が発生します。詳しくはこちらを参照してください!
最後に
いかがでしたでしょうか?普段使い慣れているOSS以外も結構選べるオプションがあることを知っていただけたら、このエントリの目的が果たせたかなと思います。
こんな情報では足りない!という方はrumioku@hashicorp.comまでご連絡ください。
新年のterraform-jpでお会いしましょ〜!
それではみなさま、よいクリスマス、年末年始をお過ごしください!